2014年11月
4人に1人が75歳以上となる2025年問題は、日本の医療に2つの矛盾した流れを生み出しました。即ち、国民医療費が爆発的に膨張する「移植医療」「遺伝子診断・治療」「高度先進医療」に力を入れて医療の質を高めて欲しいという国民の願いがある一方で、「経済の低成長」や「労働人口の減少」による医療保険の収入減で国民医療費を抑制しようとする政府の考えであります。
ところで、高齢社会の医療に於いては、糖尿病・高血圧・癌・腎不全・成人病などの慢性疾患が増加するだけではなく、複数の疾患を抱える患者が増加し、医療の最終目標をCureからCareに軸足を移し、医療費を節約することが必要です。また、高齢者は移動できる範囲が狭い、単身または高齢者だけの家族が多い、認知症を有する人が多い、経済的な余裕がない、生まれ育った土地への愛着があるなどの理由で地域完結型の医療を求められます。そこで、わたしは、「健康で住みやすい町作り」のコンセプトの基に、おんが病院に「在宅支援センター」を作り、24時間対応の在宅医療の推進、終末期対応(在宅看取り)体制を整備したいと考えています。
わたしは50年間病院勤めをしてきましたが、わたしの頭の中にある理想的な病院は、1患者に信頼され、社会に貢献できる病院2働きやすく、すべての職員に喜んでいただける病院です。この理想を求めて今しばらく頑張ってみたいと思っています。